Netflixでの実写化により、さらに注目を集めている『九条の大罪』。
柳楽優弥さん演じる主人公・九条間人の「バディ」として登場するのが、松村北斗さんが演じる新米弁護士・烏丸真司です。
クールで感情を見せない烏丸ですが、物語が進むにつれて、烏丸が抱える「18年前の無差別殺人事件」という壮絶な過去が明らかになっていきます。
なぜエリートの烏丸は悪徳と噂される九条の元に身を置くのか?烏丸の父を巡る悲劇と、九条との数奇な因縁、そして物語の結末に向けた烏丸の選択とは?
今回は、原作とドラマ版の両方の視点から、烏丸真司という男の「光と影」を徹底解説していきたいと思います。
九条の大罪:烏丸真司とは?
烏丸真司は、九条法律事務所に所属する勤務弁護士、通称「イソ弁(居候弁護士)」です。
その経歴は華々しく、東京大学法学部を主席で卒業したという超エリート。
本来であれば、大手法律事務所で安定した成功ルートを歩むはずの逸材でした。
実際に、烏丸は卒業後に一度は大手法律事務所に就職しています。
しかし、わずか1年足らずでそこを辞め、世間から「悪徳弁護士」と忌み嫌われる九条間人の元へとやってきました。
ソーシャルワーカーの薬師前仁美にその理由を問われた際、烏丸は「だって、九条先生面白いから」と、エリートらしからぬ、どこか子供のような無邪気な理由を語っています。
しかし、その「面白さ」の裏には、きれい事だけでは解決できない現実を、自分の目で見極めたいという強い渇望がありました。
私は烏丸は単なる九条の助手ではなく、極端な思想を持つ九条という存在を、読者や視聴者が理解するための「対照軸」としての役割も担っているように思います。
また、基本的にはクールで論理的な烏丸ですが、九条の飼い犬「ブラックサンダー」を可愛がったり、クレーンゲームを研究したりと、意外な「人間臭さ」を併せ持っているのも魅力の一つではないかと思います。
一方で、「正義は法の中にしか存在しない」という確固たる信念を持っており、個人的な感情ではなく、法というルールだけを信じる姿勢を貫いています。
九条の大罪 烏丸の父の事件とは?死因は?
烏丸真司が法というルールに執着する背景には、少年時代に体験したあまりにも理不尽な悲劇があります。
18年前、烏丸の父は「東海道新幹線新横浜駅連続殺人」という無差別殺人事件に巻き込まれ、命を落としました。
烏丸の父は、東大卒で大手商社に勤めるエリートサラリーマンでした。
事件当時、烏丸の父は逃げることもできたはずですが、「他人を守ろうとして」加害者に立ち向かい、刺殺されたと法廷で語られています。
この事件の裁判を、当時少年だった烏丸は傍聴していました。
被告人も被害者も、もはや真実の心情を語ることができない混沌とした状況の中で、法律というルールだけが唯一、明確に機能し、事態を裁いていく光景を目にします。
「殺した側も殺された側も理解できない中で、法律だけが形を持っていた」。
この極限の体験こそが、烏丸が弁護士を志し、「個人的な正義」よりも「法の機能」を信じるようになった原点なのです。
九条の大罪 烏丸の父、週刊誌の記事の内容は?
烏丸の父の死はそれだけで悲劇でしたが、遺された家族をさらに地獄へ突き落としたのは、メディアによる「二次被害」でした。
事件直後、烏丸の父は「他人を救おうとした英雄的なエリート商社マン」として、テレビや新聞で大々的に賞賛されました。
しかし、その空気は一通の週刊誌記事によって、一夜にして反転します。
その記事の内容は、烏丸の父が生前に「援助交際をしていた」という疑惑を報じるものでした。
事実関係が曖昧なまま、センセーショナルな見出しだけが独り歩きし、世間の反応は「賞賛」から「嘲笑」へと様変わりしました。
昨日まで「英雄の家族」として同情されていた烏丸家は、一瞬にして「叩いてもいい家族」へと堕とされ、激しいバッシングを浴びることになります。
この記事を書いた記者・市田(いちた)は、後に自分の記事が一家を追い詰めた責任を感じ、業界を離れることになりますが、メディアが振りかざす「私刑」の恐ろしさは烏丸の心に深い傷を刻みました。
このバッシングにより、最も深く傷ついたのが烏丸の母・晃子です。
烏丸の母は事件から18年経っても、世間の好奇の視線を恐れ、カーテンを閉め切り、換気扇に目張りをして外の音が聞こえないようにして自宅に引きこもり続けました。
烏丸が「人だと憎しみ。災害だと悲しみ」という教訓を得たのは、こうした理不尽な攻撃から自分たちの心を守るためでもありました。
「加害者を人間として憎むと復讐心に支配されるが、抗えない災害として捉えれば、いつか悲しみとして消化できる」。
その言葉は、烏丸が生き抜くための切実な知恵だったのです。
九条の大罪 烏丸と九条の因縁は父同士の過去にあった!
物語の最大の衝撃の一つは、烏丸と九条間人が、実は18年前のあの裁判の傍聴席で、隣同士に座っていたという事実です。
烏丸と九条、この二人の因縁は、法廷という場で交錯していました。
- 被害者遺族(傍聴席最前列): 少年時代の烏丸真司
- 検事(公判担当): 鞍馬(九条の実父)
- 検事の息子(傍聴席): 九条間人
つまり、烏丸にとって九条は、「父を殺した犯人を裁いた検事の息子」であり、九条にとって烏丸は「父が裁いた事件の被害者遺族」という関係にあります。
ドラマ版第1話のラストで、烏丸が九条に対し「18年前の裁判を傍聴した」と告白するシーンは、この深い繋がりを示唆する重要な伏線となっています。
さらに皮肉なことに、加害者の弁護人を務めていたのは、後に九条の師匠となる流木でした。
この「運命的」とも言える再会は、原作の後半(8〜10巻)にかけて徐々に明らかにされていきます。
九条が悪人をも救う道具として法を操る一方、烏丸が法の内側から正しさを追求しようとする姿勢の違いは、二人の、この過去の立ち位置の違いからも生まれているのかもしれないと私は思います。
九条の大罪 烏丸、最後結末はどうなる?
烏丸と九条のバディ関係は、物語の終盤で大きな転換期を迎えます。
Netflix版の最終回(第10話)において、烏丸は一つの重大な決断を下します。
それは、九条法律事務所を去り、九条の師である流木の事務所へ移籍することでした。
決別の理由は、依頼人を選ばず、反社会的勢力(ヤクザや半グレ)の利益をも守り続ける九条の在り方に、限界を感じたからです。
烏丸は去り際、流木に対して「もし”至高の検事”がいたら、九条先生はパクられる(逮捕される)のではないですか」という問いを残しています。
これは九条を見捨てたわけではなく、「法の外側に片足を踏み込んでいる九条を、法の側からどう成立させ続けるか」という、烏丸なりの新たな戦いの始まりでもありました。
原作漫画(10巻付近)では、その後さらに劇的な展開が待っています。
一度は袂を分かった烏丸ですが、九条が実際に逮捕の危機にさらされた際、烏丸は自ら志願して九条の弁護人を引き受けます。
かつて自分を突き放した師である九条を救うため、烏丸は全てのしがらみを捨てて法廷に立ちます。
最新の原作(15〜16巻時点)でも、烏丸は九条の単なる補佐役ではなく、九条と同じ現場で現実を見届け、時には倫理の軸として九条を支える「唯一無二の相棒」としての地位を確立しています。
まとめ 烏丸真司の過去を知ると物語が反転する
烏丸真司というキャラクターは、ただのエリート弁護士ではありません。
- 父を無差別殺人で失った被害者遺族
- 週刊誌によるバッシングで家族を壊された生存者
- 九条の父が裁いた事件の当事者
これらの背景を知った上で物語を見返すと、烏丸が九条に向ける眼差しや、「法」に固執する言葉の意味が全く違って見えてきます。
私は九条間人が「法の闇」を照らす男なら、烏丸真司は「法の光」を信じようともがく男のように感じます。
二人の因縁が今後どのような結末を迎えるのか、原作の最新刊や、今後のドラマ続編(シーズン2)への期待は高まるばかりです。
烏丸の「至高の検事」という問いに対する答えが出る時、この物語は真の終焉を迎えるのかもしれません。
最後まで読んでくださりありがとうございました🌸
九条の大罪のネタバレあらすじやキャラクターについてはこちらにまとめていますので、お読みください🌸


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